オールドレンズ界でも人気を博し、多くの方が保有している「CONTAX CarlZeiss Planar 50mm F1.4 AEJ」
購入してからしばらく経ったのですが、間違いなく買ってよかったレンズの一つです。
しかも運良く、初期ロットのシリアルナンバー581番代を手に入れることができました。
今回は作例とともに、このレンズについてご紹介していきます。
そもそも、オールドレンズとは?
オールドレンズとはフィルムカメラで使われていた昔のレンズのことで、定義はハッキリと決められてはいませんが、1970年代以前のフィルムカメラ用交換レンズのことを指します。
AFが効かないマニュアルフォーカスのものが比較的多く、現代のデジタルカメラのレンズに比べ彩度やコントラストが弱く柔らかで幻想的な描写になるレンズが多いです。
特徴的なボケ味を出すレンズや独特な雰囲気を出すところが大きな魅力の一つです。
また、現代ではマイナス要素としてみられてしまうフレアやゴーストが写り込みやすかったり、強い周辺減光があったりしますがその要素もまたオールドレンズの魅力でもあります。
もっと詳しくオールドレンズについて知りたい方はこちらから↓
コンタックス CONTAX Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 T* AEJ
冒頭でも述べた通り「CONTAX CarlZeiss Planar 50mm F1.4 AEJ」はオールドレンズの中でも有名で人気のレンズです。「カールツァイス」と言えば、世界的に有名なドイツメーカーが手掛けるレンズで、その写りに魅了される人は数知れず。
プラナーはカールツァイスの中でも「標準レンズの帝王」だとか「標準レンズの王様」だとか言われていました。
カールツァイスのレンズは「AEG」「AEJ」「MMF」「MMG」の4種類存在します。
最初の2文字の「AE」と「MM」は作られた年代の違いで「AE」の方が昔に作られており、また三文字目のアルファベットが「J」のものが日本製、「G」のものがドイツ製という違いがあります。
僕が所持しているのは「AEJ」と呼ばれる初期型の日本製モデル。
写りも微妙に違うそうなのですが、一番大きな違いは絞り羽の形状による玉ボケの形です。
開放ではどちらも円形の玉ボケですが、「AE」の方は少し絞るとギザギザするので「手裏剣型」の玉ボケになります。「MM」の方はギザギザしないため六角形のボケになると言われています。
僕が使用してみて感じた、このレンズの特徴は以下の通りだと感じます。
ピント面から滑らかに溶けるボケ味
空気までも写すような描写
落ち着きのあるコントラスト
f1.4の明るいレンズ
焦点距離が50mmなので汎用性は高く基本的に何を撮るにも向いているレンズだと思いますが、特にポートレートや日常のスナップを写すのに最も最適なレンズだと思います。(僕はブライダルの撮影の際に使用したりもします)
581番台
このレンズには、とある噂がささやかれています。
「シリアルナンバーが581番台、582万番台のレンズには良い写りをするモノがある」
調べてみたところ、初期型のロットは職人の腕で作られたレンズの完成度にばらつきがあるとのことで、絶対的にはいい写りがするとは言えないようです。
ただ、昔に生産されたオールドレンズはカメラのデジタル化、そして価格破壊が起きる前に手間とコストをかけて作られており、職人技によって贅沢に仕上げがされています。
どうせ買うならその噂も信じて”当たり玉”と呼ばれる凄いレンズを見つけてみたいですよね。
僕は運良くすぐに581番台に出会うことができました。581番台は最近ではあまり出会うことはできないよとオールドレンズに詳しい知人から言われていたのでとても嬉しくてすぐに購入しました。
Yahooオークションで購入したのですが、金額は¥35,000でした。近年の市場価格が¥25,000〜¥50,000くらいだったので妥当な金額ではあるのかなと思います。
知人には高いと言われましたが、そこそこ綺麗な品ではあったので満足はしています。
現代のカメラで使用する場合マウントアダプターが必要
オールドレンズをその時代のフィルムカメラで使う場合、そのまま使うことができますが、現代の一眼レフやミラーレス一眼で使用する場合には「マウントアダプター」を使うことでオールドレンズを使用することができるようになります。
マウントアダプターのボディ側はボディの、レンズ側はレンズのマウントに合った仕様のものを選ぶ必要があります。
僕はソニーのカメラを使用しているため、ボディ側がソニーEマウント用、レンズ側がヤシカ・コンタックス用のマウントアダプターを購入しました。(焦点工房)
レンズやカメラの組み合わせによってはマウントアダプター自体が使えないケースもありますし、メーカーによって違うのでしっかりと確認してから購入するようにしましょう。
様々なマウントアダプターがありますが、初めて購入される方は有名な、焦点工房やK&F Conceptのマウントアダプターから探してみるのがよいでしょう。
作例
それでは、CONTAX CarlZeiss Planar 50mm F1.4 AEJで撮影した作例をいくつかご紹介していきます。
全ての写真がSONY α7Ⅳ、ピクチャースタイルがクラシックネガ、ホワイトバランスが曇天で撮影しています。
よくプラナーは空気まで描写するなんて言われるんですが、撮影しているとその意味がとてもわかります。
現代のレンズでは表現できないであろう描写がとても良い。ピントが合っている部分の解像感も高く、ヌケ感もしっかりあるのが凄いです。
現代の最新レンズではf1.4という開放で撮ることはあまりないのですがこのレンズはf1.4で撮影したくなる不思議な力を持っています。
上の写真は全て撮って出しですが、RAWデータを現像する際も色のりがとても良く、個人的にはとても好みの色を出すことができました。わざとピント外したりモノクロにしてみてもいい感じです。
このレンズはフリンジが多く出る印象を受けるのでフリンジが嫌いな方はあまり好みではないと思います。
とはいえ修正で消せますしそのフリンジも味が出て個人的には好きなのでそこまでマイナスなイメージはもっていません。
使い込むのが楽しみ
使っているうちにこのレンズは光を上手く捉えることで魅力を増すレンズだと感じました。
逆光のシーンでまだあまり撮影をしていないのですが、フレアや描写の変化が楽しみです。
最近はこのレンズの値段も上がっているようなので、コンディションなどをしっかり確認してから購入することをおすすめします。周りにオールドレンズに詳しい方がいたら相談してみましょう。
CONTAX CarlZeiss Planar 50mm F1.4 AEJ 最高のレンズです。
今回ご紹介したレンズ↓
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